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Blindfold
第11章 正体
「看板、出すだけでいいからな」
観念したのか、店長はベッドの脇の机を指差した。
差された方を探すと、カチャと音がして鍵が現れた。
「………今週も、そうやって素直に私に任すとか、数日は閉めるとかすれば良かったんですよ」
頼りにされていないのだろうか。
そりゃ店長みたいには出来ないけど、私だってそれなりに仕事はできる。
「それは考えなかった」
予想外の優しい声音が聞こえて、私は出る支度をしながら、え?と聞き返した。
「お前にいつでも来いって言った手前、店、閉めるわけには行かないだろ」
カバンの中に鍵を入れながら、その言葉に身体が固まった。