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Blindfold
第11章 正体
両手で頬を叩いて、しっかりしろ、と言い聞かせる。
フロアの違うお姉ちゃんの病室に向かう。
同じ病院でも階が違うと雰囲気が違う。
そんなことを思いながら歩いていたら曲がり角で突然ステッキが現れて、急ブレーキした。
カツ────
とその音が響いて、人影が見える。
現れたのは長身の若い男性だった。
フラフラとしながら、懸命に自分の行く場所を探し出している。
ぶつかりそうだ、と思ったが、向こうが避けようとしないので、慌てて壁に寄った。
微かに、彼のスーツが私の身体に触れた。
「あ……」
それに気付いた彼は首を回して私の方をみた。