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Blindfold
第11章 正体
いつも通り、扉をスライドさせようとして、そして思い止まった。
扉から手を離して、グッと拳を握る。
そして、私はコンコンと音を立ててノックした。
「………はい」
返ってきた声。
夢うつつだった昨日と比べると、冷静になった私は、本当にお姉ちゃんが目覚めたのだという事実をひしひしと感じていた。
窓から差し込む光。
それが、外をぼんやり眺めるお姉ちゃんの白い肌を照らす。
「……どう?」
かずにぃがいないことに安心して、私はお姉ちゃんの元へと歩いた。
「あら。桜…」
外から視線を私に移したお姉ちゃんは儚げに微笑む。
そんな姿がいちいち美しくて、胸が締め付けられる。