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Blindfold
第11章 正体
「……何も変化はないよ」
「何も?」
「……うん。私にとっては、ね」
そう言って伏し目がちになったお姉ちゃんを眺める。
まつ毛が長い
そんなどうでもいいことを思いながら、ベッドの脇にある椅子に腰掛けた。
「………かずにぃは?」
「さっきまでずっといたんだけどね」
そうなんだ。
ずっとっていうのは、昨日からずっと、だろうか。
「ちょっと疲れたからって言って帰ってもらったの」
そう言いながら、お姉ちゃんは自分の腕を見つめた。
ずっと機械に繋がっていた跡。
それが少し痛々しい。
「ごめん、そんな時に来ちゃって」
「いーのいーの。本当は少し和明と離れたかっただけだから」
はは、と乾いた笑い声を上げる。
そんなお姉ちゃんの言葉にトクンと心臓が鳴った。