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Blindfold
第11章 正体
「なんで…?」
そう尋ねながら、ざわざわとうるさい胸に手をやった。
「だってね。和明、ずっーーと『良かった、本当に良かった』って言ってるんだもん」
「………そりゃあそうだよ」
ずっと見て来たから分かる。
この2年間、かずにぃは1日もお姉ちゃんを想わなかった日はない。
嫌になるほど、だ。
「分かってるわ。でも…」
お姉ちゃんはまた切なそうな表情をして、私越しに外を見ている。
昨日から思っていたけれど、目覚めてからのお姉ちゃんはあまり嬉しそうな表情を見せない。
「でも?」
「和明にとって、私と会話するのが2年ぶりだとしても、私にとっては1日ぶり、みたいなものだから…」
「…………」
「そんなに喜ばれるのが、なんか違和感で…」