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Blindfold
第11章 正体
「分かったから…そんなに泣かないで?」
「分かってないよっ……」
お姉ちゃんは、何も。
彼女にとって1日だとしても、やはり私やかずにぃにとっては紛れもなく2年だ。
「だから、疲れたとか言わないで…。ちゃんと一緒にいてあげて…」
顔を上げて、お姉ちゃんを見つめた。
切なそうなその瞳が輝きながら揺れている。
「……そうだね…。ごめん」
ベッドから立ち上がると、カチャリと先ほど店長からもらったカバンの中の鍵が鳴った。
「ずっと苦しんでたんだよ…っ…」
「──────」
「だからっ…今度はお姉ちゃんがかずにぃのこと……幸せにしてあげないと…」
こんなお願いを私がするのは変だ。
でも、2年間傍で見てきたから。
それが出来るのはお姉ちゃんだけだと知っているから。
お願いだから…
かずにぃのためにも
そして
私のためにも。