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Blindfold
第12章 風
「ねえ達也?」
振り返った幸さんが、店長に声掛ける。
「………」
顔を直視出来なくて俯いた。
けれど、髪が短くなってしまったせいで表情を隠せないのがもどかしい。
「………おぅ」
「なぁに、その素直じゃない反応は」
揶揄うような幸さんの言葉に、私はおそるおそる顔を上げる。
「似合ってるんじゃねぇの?」
「っ………」
「もぉ…『似合ってる』って普通に言えばいいじゃない」
そっぽを向いていた店長はヒゲをぽりぽりと掻いている。
何故か照れてしまって熱くなった顔を冷まそうと、再び私は目をそらした。
「じゃあ桜ちゃんも来たし、私行くわよ」
「えっ……またですかっ…」