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Blindfold
第12章 風
店長と会うのはいつも夜で
しかもお店ばかり。
こんなに太陽が高い位置にあるときに、会う事はない。
さっきから感じていた違和感はこれだ。
「もう元気そうですね」
「おぅ。そんな柔じゃねーからな、俺も」
何を言っているんだか。
ちょっと前までとても息苦しそうだったのに。
─────────もう明日の朝には退院するって
さっきの幸さんの言葉。
「幸さん…」
「幸?」
「ア……」
違う。
幸さんのことを話したかったんじゃない。
退院のことを話したかったのだ。
「あいつがどうかした?」
あくまで自然な店長。
どうかしたって言われても……っ
「今日は…早くから来てたんですねっ…」