この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blindfold
第13章 つぼみ
「バカじゃないっ……」
思わず彼の胸に飛び込んだ。
おっ、と声を上げた店長はしっかり私を受け止めて、そして涙が止まらない私の頭をゆっくり撫でた。
「………店長っ……」
「………」
「やっと……終わりました…っ…」
「………おう」
あぁ…
でも────
「終わっちゃったっ……」
私の長かった初恋。
バカみたいに
ずっと想い続けた、この恋。
まるで子どものように、声を上げて泣く私を店長は黙って抱き締めている。
「っ…終わっちゃったっ……」
そればかりを口にする私に、店長はお疲れと何度も囁いていた。