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Blindfold
第13章 つぼみ


覚えられてたんだ…




「お店再開、おめでとうね」


「ありがとうございます…」




まるでお店のオーナーみたいな気分で頭を下げる。



でも、本当に再開してよかったし、それを祝ってくれるお客がいることも幸せなことだ。



時給がいいのと、名前に惹きつけられたという理由で始めたバイトだったけど、こんなに自分の居場所になると思わなかった。




しみじみしていると、店長からまた名前を呼ばれた。




「同じのくれる?」



「かしこまりました」



笑顔で返して小走りでカウンターの方に戻る。




「……絡まれてたのか?」



溜まってしまったグラスを裏に下げていると、店長が私にしか聞こえない声で囁いた。




「え?」



少し長い、店長の黒髪がフワリと揺れる。




「あの、男二人」




チラと目配せされた方に、自然に視線を流す。



「あー…。いやいや。お店の再開おめでとうって言ってくれただけです」




「……そーか」



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