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Blindfold
第13章 つぼみ
それだけ呟いて店長はまたお酒を混ぜる。
前だったら、こんなこと言われても、また子ども扱いされてると思っていたけど、今はいちいち期待してしまう。
なんか言おうと思って、でも言葉が浮かばずにいると、カランと音を立てて扉が開いたので、私はカウンターの前に出た。
いらっしゃい、と店長の気の抜けた言葉を背中に受ける。
それに合わせて軽く礼をしたら、見慣れた顔が目に飛び込んだ。
「よ」
片手を軽く上げた樹。
「わ……。久しぶり…」
カフェで、こじれた関係を終わらせたあの日から、まともに会ってなかった幼馴染。
「そこ、空いてる?」
うん、と頷くと、樹はそのままカウンターに腰掛けた。