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Blindfold
第13章 つぼみ
すでに断片的となった記憶の欠片。
それを恐る恐る組み立てていく。
─────────目を覚ましたって
─────────本当に 2年経ったのね……
「ホントか?」
樹の言葉で現実に戻された。
1日とは思えないほど長かったあの日。
「うん。本当に」
少しまだ胸がざわつくけれど
でも、もう、思っていたほど辛くない。
それに気付いた私は自然と自分の口元を綻ばせた。
「へぇ。良かった」
つられたように、樹も笑う。
「……ありがとう」
私がお礼を言ったのと同時に、店長が樹の前にグラスを置いた。
どうも、と樹が声を掛ける。