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Blindfold
第13章 つぼみ
こちらを向かないまま放たれた店長の言葉。
軽く目を見開いて、またテーブルの水滴を指でなぞった。
「………どういう意味?」
「そのままの意味だよ」
微かに、指が震えて、先ほどのように描けない。
「昔から知ってて、お前を想ってくれてて、んでまぁ顔も悪くねぇし…」
「樹と付き合えって言ってるんですか?」
少し角のある言い方になってしまった。
それに気付いたのか、店長は手を止めて再び振り返って私を見た。
「それでもいいんじゃねぇか、って言ってるだけだ」
ふぁーとタバコの煙を吐かれて、それを手で払いのけた。
それでもいい?
なにそれ。