この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blindfold
第14章 自立
「いいの」
取り込めなくなった酸素。
それが、お姉ちゃんの一言で、すー…と肺に入り込んだ。
「最初に……奪ったのは私だから…」
「───────」
「私…桜が和明のこと好きなの…知っていたのにっ……」
──────────ねえ…桜…。
それはある日突然の事だった。
私の世話ばかりして、自分のことはいつも二の次にするお姉ちゃん。
本当は何を思っているのか、私には全然分からなかった。
なのに…
────────────私っ…和明の事が好きみたい…
初めて、お姉ちゃんの想いを聞いた。
その日から、私の気持ちは禁断のものとなって───
「桜から……初恋の相手をっ……」
ハラリと、お姉ちゃんの目から涙がこぼれ落ちた。
「お姉ちゃん…」
「私が眠っていた間何があったのか……詳しくは知らないし…聞く勇気もないけど…っ」
そう言いながら、お姉ちゃんは、片手で自身の涙を拭った。
「でも、私、怒ってない…」