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Blindfold
第14章 自立




「いいの」




取り込めなくなった酸素。



それが、お姉ちゃんの一言で、すー…と肺に入り込んだ。






「最初に……奪ったのは私だから…」




「───────」




「私…桜が和明のこと好きなの…知っていたのにっ……」







──────────ねえ…桜…。







それはある日突然の事だった。




私の世話ばかりして、自分のことはいつも二の次にするお姉ちゃん。




本当は何を思っているのか、私には全然分からなかった。




なのに…




────────────私っ…和明の事が好きみたい…





初めて、お姉ちゃんの想いを聞いた。




その日から、私の気持ちは禁断のものとなって───








「桜から……初恋の相手をっ……」







ハラリと、お姉ちゃんの目から涙がこぼれ落ちた。







「お姉ちゃん…」




「私が眠っていた間何があったのか……詳しくは知らないし…聞く勇気もないけど…っ」







そう言いながら、お姉ちゃんは、片手で自身の涙を拭った。






「でも、私、怒ってない…」







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