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Blindfold
第15章 花言葉
近付いた顔。
重なりそうだったのは…
もしかして、店長と幸さん…っ
「随分早いな」
誤摩化すように、店長はタバコを取り出して、火をつける。
「はい……」
何をしにきたのか
何を話そうとしたのか
さっきまで頭の中をずっと支配していたはずの内容が、すっかり抜け落ちて、店長と幸さんのことが占拠している。
「……今日も、混むだろうし…。だから早めに仕込み、手伝おうかなって…」
口から出任せ。
トボトボと裏に入る私に、店長はサンキュ、と声を掛けた。
着替えながら、動揺を抑えようと必死になる。
でも、そうしようとすればするほど、頭の中は考えたくないことで一杯になっていた。