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Blindfold
第15章 花言葉



着替えて、表に戻ると、幸さんがケラケラと笑っていた。




病院で二人を見た時もそうだった。



放たれる大人のオーラ。



それには到底叶いそうもなくて…──





ぼんやりと眺めていると、店長がそれに気付いて、私の元に寄った。





「桜…?」




「わっ、私…椅子、下ろしますねっ…」





フロアに出ようとした私を店長が止める。





「なんかあったんだろ」




優しい眼差しで見つめられて、胸がトクンと跳ねた。



気持ちに気付いてから、そうなる以前、自分がどうやって店長と会話をしていたのか、思い出せない。



彼にとって、私はただの従業員だと分かっているのに。






「なんもっ……」




「ホントか?なんか聞いて欲しくてこんな早くに来たんじゃないのか?」




「………っ」






そうだった。



かずにぃからも、そしてお姉ちゃんからも離れてやっと自由になった。




この喜びを、一番に伝えたくて、そして私は町を走り抜けた。











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