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Blindfold
第15章 花言葉
どうせダメもとなのだから、一思いに叫んでしまえばいい。
なのに、あんな風に見つめられると、普通に息をする事すら困難になってしまう…
「あれ?桜ちゃん?」
突然どこからともなく聞こえてきた声に思わず背筋を伸ばす。
辺りを見回すと、花壇の前でしゃがみ込む店長のお兄さん、拓也さんが微笑んでいた。
「たっ、拓也さん…っ」
「久しぶり!元気?」
「え…ええ…まぁ……」
咄嗟の質問に素直な反応をしてしまった。
でも拓也さんは、そっか、と言って花壇を見た。
「どうしたんですか……?店長に…何か」
「いや、まあそうなんだけど」
「店長だったら…中に…」
私の言葉を聞いているのかいないのか、拓也さんは、ふぅん…と声を出して、お花を見ていた。