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Blindfold
第16章 この恋に気付いて
店長には言葉が足りない。
それを拾い集めて、期待して…でも裏切られて。
そんなことの繰り返し。
「バカじゃないのっ……!」
しびれを切らした私は、声を荒げた。
「そんな、知らないところで、花言葉で遠回しに伝えられてもっ……私には分かりません…!!!」
怒りで心拍数が上がっているのか、それ以外のせいなのか、よく分からない。
店長は、まだ言葉を返さない。
でも、カウンターから出てきて、ゆっくりと、まだドアの前で立ったままの私に近付いてきた。
そんな事に臆せずに私は、店長に叫び続ける。
「言ってくれなきゃ…っ…分かんないですっ……!!ちゃんと言葉にしてっ……私に──」
「言える訳ねぇだろ」
ドンっ!と扉から音が響く。
その反動からか、カラン…と小さく鈴が鳴った。
そして、そのまま店長に扉に追いやられた私は、言葉を止めて、店長を見入った。