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Blindfold
第17章 目隠しはいらない
「店長…」
「今度はなんだよ」
中々こっちを向いてくれない。
もどかしくて、愛おしくて、私はズボンからだらしなくはみ出している店長ワイシャツを掴んだ。
「じゃあ…幸さんとは何でもないんですね」
「だからずっとそう言ってんだろっ」
「良かった……」
ホッとして、嬉しさが込み上げる。
ずっと気になっていたことが、解消されて、私は店長のワイシャツを掴みながらテーブルの前のイスに座った。
「……何を今さら不安がってんだよ」
「だって、幸さんと店長、いつも楽しそうに話してたから」
そう答えると、店長はまた、はぁ?と言葉を返した。
「ちっとも楽しくなんかねぇ。こっちは散々揶揄われてむしろ不愉快だったんだ」
そういいながら、店長はようやく2つマグカップを取り出して、テーブルに置いた。
幸さんと話す時、照れていた店長の顔。
あれは私のことを話して、幸さんに揶揄われていたから…?だったんだろうか。
「何を相談してたんですか…?」
「もうその話は終わりだ」
「えー気になる」
「……もういいだろうがっ」