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Blindfold
第18章 Blindfold
その雰囲気はまさに幸さんのお店って感じだ。
中はどうなっているんだろうか…
今度訪ねてみたい。
そう思って再び自分のお店に向かおうとすると、私の目の前に黒塗りの車が止まった。
いかにも高級車という出で立ち。
どんな人が出てくるのか興味があって、ゆっくりと歩きながらドアを眺める。
「着いたか…」
「──────…」
白いスーツが、暗がりでも眩しい。
車から降りた異彩を放つ彼は振り返ると、愛おしそうに車の中に視線を移した。
こんなに、美しい人がいるだろうか──
まるで異国の地の王子のような整った容姿。
道行く人は皆、吸い込まれるように彼を見ている。
まるで存在が芸術作品のような彼の姿に思わず足が止まった。
そして彼に手を引かれて車から降りた少女の長い黒髪が靡く。
あの子……
少し前にこの辺りでぶつかった美少女だ────