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Blindfold
第21章 恋人への不満
あれこれ考えていると、店長が私の顔を覗き込んで来て、ドキッと胸が鳴った。
「…………ぜってぇ今余計なこと考えてるだろ」
「か、考えてないっ……」
「ホントか…?」
グッと至近距離で迫られて後ずさる。
すると丁度よくヤカンが音を立てた。
バイトを始めてから2年間は、店長を全然意識することなく過ごしていた訳だが、あの時自分がどう店長と接していたのか思い出すことが出来ない。
少し長いクセのかかった黒髪。
顔付きは男らしくて、微かに伸ばしている口元のヒゲがまたさらにその男らしさを強調させている。
身長も高いし、体もがっちりしていて逞しい。
世間で言えば、いわゆるイケメン。
でも、最近、それに気付いた上に、見るたびにこの人、こんなにカッコよかったっけ…?という疑問が沸く。
店長が変わったのか、私が変わったのか。
なんとなく、後者な気はしている……けど。