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Blindfold
第21章 恋人への不満
「はいったぞ」
そう言って、店長はテーブルの上にマグカップを置いた。
淡いピンクの桜柄。
店長に買ってもらったお気に入りのマグカップを両手で掴んで、ありがとうございます、とお礼を言いながら店長の方を見た。
奥の方へ行って着替えようとしている。
時計は9時15分を指している。
こんな早くにどこかへ行くんだろうか。
「店長は……飲まないの?」
「あぁ、いい」
ふーん……
じゃあ私のためだけに淹れてくれたのか。
それはそれで嬉しいけど……。
一緒に飲みたいという気持ちもない訳じゃない。