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Blindfold
第21章 恋人への不満
顔を洗ってリビングに戻った私は、椅子に座って再びオムライスを眺めた。
まるでお店のような、そんな出来栄え。
好物なくせに自分ではあまり作らないし、作ったとしてもこんなにキレイには出来ない。
「食べていいですか?」
タバコを揉み消している店長に尋ねると、おぅ、と返事が返ってきて私は即座にスプーンを掴んだ。
ハッキリ言って寝てただけだし、そんなにお腹は空いてなかったはずなのに、あまりにキラめくオムライスを見たら、グゥと小さくお腹が鳴った。
「いただきます……」
早速、スプーンでオムライスを一口すくおうとして、固まった。
………何だかすごく見られている気がする。
視線を上げてそっと店長を見ると微かにニヤリとしているのが分かった。
「………どした?早く食えよ」
自分だって食べればいいのに、スプーンも掴まずに頬杖を付きながらジッと私が食べる様子を見ている。
なんかおかしい………
嫌な予感がして、恐る恐るスプーンで卵を切ると嫌な予感は的中していた。