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Blindfold
第22章 後輩
「教えてやれ」
命令される筋合いはない。
私に相談もなく、人を入れて、教えてやれなんて本当に勝手なもんだ。
言い返す気力もなかった。
イライラするけど、なんか悲しくもなってきた。
人を入れたのは、私が使えないからってことなら、もっと頑張らなきゃいけないのは私の方だ。
そしたら、この子を雇う必要だってないんだから。
「まずは、椅子を下げる」
「は、いっ…」
葵が私についてくる。
「開店までに、オーダーの取り方も教えてやってくれ」
また店長に命令されて、私は返事をせず、椅子を掴んだ。
「オーダー取って、店長に伝えて」
「…は…はいっ」
「そして店長が作ったやつ運んで」
「…はっ…はい…」
「基本それだけ」
ありがとうございます!と葵がしどろもどろで言うと、奥から店長のため息が聞こえた。
「もっと丁寧な教え方あんだろが……」
「あ、いえいえ、分かりやすかったです!」
そう言いながら、葵がメモをポケットにしまった。
丁寧、ねぇ……
「誰かさんに教わったままに教えただけなんですけど」
「あ……?」
私だってほとんど店長に教えてもらわずに初日を迎えた。
テキトーでいいとか何とか言われて。