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Blindfold
第22章 後輩
ふんと息を吐いた店長は、カウンターの中へと入っていくのが分かった。
何考えているんだかよく分からない。
椅子を下げるだけであわあわしてるような女の子を入れて、一体どうしたかったのか。
「それの次、グラス磨くから」
「あ、はい!」
純粋で、闇を知らなそうで……。
幸せに毎日一生懸命過ごしてますって匂いがプンプンする。
正直、こういう子って苦手だ。
「桜さんって……」
突然話しかけられて、思わず身体が震えた。
さっきあそこまで冷たくしたのに話しかけてくるなんて、度胸があるのか何なのか。
こういう子も苦手だし、
年下とかを相手したことがないから、どんな風にしたらいいかも分からない。
まぁ年下に限らず、友だちすらもまともにいないことも起因してそうだ。
「なに」
「こっここ、長いんですか?」
「……まぁ」
話を続ける気も起きなくて、それだけ返すと、葵はへぇ〜と呑気に言葉を返した。
「やっぱお客さんって、店長目当ての方が多いんですか…?」
「えっ……」
突然店長のことを言われて、声を上げると葵は目を丸くした。
「あ、なんか、ほら……店長ってなんていうか、ダンディ?ていうか、イケメンっていうか……素敵な方だから」
身体もがっちりしてて背も高いし、と葵は付け加えた。
さっきまでおどおどしてたくせに、慣れてきたのかよく話す子だ。