この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Blindfold
第23章 夢

「本当、お客さんそっちのけで、色んな顔してるもの」


色んな顔……?とは、どんな顔なんだろうか。



「もちろん、優しい顔で見守ってる時もあるけど、ほとんどがハラハラしたような顔ねー」

「ハラハラって……私別にドジじゃないですし、そんなハラハラさせるようなことしてませんよ」



葵ならまだしも、私はそんなことはない、はずだ。


あんなに慌てたりもパニックになったりもしない。


それにもうあそこで働き始めてから3年目になるんだし。



「そういうハラハラじゃないのよねぇ…」

「……………?」



幸さんが何を言いたいの分からず、グラスに口をつける。



「桜ちゃん、結構お客さんにも人気あるし、話しかけられるでしょ」

「そう……?ですか」



そんな自覚はない。
確かに軽く話しかけられるくらいは別にあるけど、長話したりすることなんかはほとんどない。



「そういう時、達也はいつも『俺のかわいい桜に話しかけてんじゃねぇよ』って顔してる」

「っ……──────」

「取られる、とか思ってんのかしらね?」



また笑った幸さんを横目で見た。


その話は本当なのか。


そんなこと思ってるだなんて言われたこともないし、そんな素振りすらも感じたことがないけど……



「そんなこと、言われたことないですけどね」

「そう? でも達也分かりやすいじゃない?」



それも思ったことがない。
むしろ、何考えているんだかいつも分からないくらいだ。



「と・に・か・く!達也は桜ちゃんのことだぁぁあい好きよ」



大袈裟な言い方に顔が熱くなる。



「っ……そんな機嫌とってくれなくて大丈夫ですよ」 

「あら、ほんとよ? あの人の片想いを2年間もそばで見てきた私がいうんだから」



恥ずかしくなって、私はひたすらにお酒を煽る。


本当にそんなに好きなんだったら…


そう言ってくれればいいのに、さ。

/508ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ