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Blindfold
第24章 飼い主
底なしの優しさで、溢れている。
それは私が1番知っているし、そんなところに惹かれた。
なのに私は………
「店長……っ」
私がそう呼びかけると、ん、と店長は軽く返事をした。
「昨日は………すみません…でした」
頭を下げて、床を見つめる。
やっと言えた。
思わず力が入って、両手をギュッと握りしめていると、店長が近付いてきたので、頭を上げた。
じっと見つめると、店長は無表情のまま、私の頭に手を乗せて優しく撫でた。
「いや、俺がお前の気分を損ねるような事をしたのが悪かった」
「………………」
「……最近疲れてそうだったろ。だからお前に無理させたくねぇと思って、葵を雇ったんだ。相談すれば良かったのにな。悪かったよ」
疲れてそう……?
もちろん、お店は繁盛してるけどそんなことは別に思っていなかった。
身に覚えがなくて、何でそう思わせたのか黙って考えていると、あと……と店長は言葉を続けた。
「俺はお前しか見てない」
「────…っ」
「それにもし俺のことをロリコン野郎とか思ってんだったら、今すぐ考えを改めろ」
キッときつく睨まれて、目を逸らす。
葵に対して、妬いてたの、やっぱりバレてたんだろうか……
「………そんなこと、別に言ってないじゃないですか」
恥ずかしくなって顔が熱くなるのを誤魔化すようにそういうと、店長はフッと笑った。