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Blindfold
第24章 飼い主
「ならいい。もしかしたら俺が葵になびくとか、そういうバカみてぇなこと思ってんだったら、ありえねぇってことを一応伝えたかっただけだ」
………この人は、超能力者なのだろうか。
「思って…ないです。そんなこと……っ。」
あまりにも図星すぎて言葉を続けようにも声が震えてしまう。
「………店長みたいなおじさん……相手にされませんよ」
こんなこと言っているけど、店長は若い子からもモテるはずだし、やっぱり葵は脅威だ。
そんな私の気持ちとは裏腹、そうだな、と店長は笑っている。
「……それに、別に俺はお前の若さに惚れたわけじゃねぇしな」
「えっ……」
ヒゲを掻いた店長は、私に背を向けて流しの方を向いてしまった。
「え、じゃねぇよ。ばーか」
そっけない言葉。
照れているのかもしれない。
店長は………私のどこを好きになってくれたんだろう……
とても聞きたいけど照れてしまった私は、誤魔化すように店長の広い背中に手を添えた。
「…………店長」
「ん」
「なんで……私が疲れてるって思ったんですか」
話を逸らすようにしてさっきの話に戻すと、そりゃ、と言って店長がこちらに向き直った。
「ここいる時、お前大体いつも寝てるし」
あぁ………
───────────大体お前、寝過ぎ
そういえば前もそんなこと言われたけど、それ気にしてくれてた…のか。