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Blindfold
第24章 飼い主
「そんなに居心地がいいってんなら、もっとここに来ればいいんじゃねぇの……?」
「それは……」
「ん………?」
いつも欠伸ばっかしてる店長が思い出される。
そうだ。
私が疲れてそうとか店長は言ってたけど、むしろ店長の方が疲れてそうで私は遠慮していたんだ。
そりゃもっとここに来たいけど、来たら今みたいに私の世話ばっかさせちゃうわけで。
「おい、何か気にしてんだったら言ってみろ」
な?と優しく問いかけられて胸がキュンと跳ねた。
言われた通り…言ってみる……?
今みたいに言わないと解決しないこととか、誤解もあるかも、だし……
「私はいい…けど、それこそ、店長が……疲れるでしょ」
「…? 何に……?」
「料理とか色々、私の分までやってくれてて……」
お皿洗いすら、させてくれないし。
きっと頼んだってダメなんだろう。
元々店長は世話焼きなんだと思う。
「別に料理は1人でもやる。もう1人分増えたって手間は変わんねぇよ」
「でも………私といる時欠伸してばっかだし…」
「………………」
「私が疲れさせてるのかな、って。ここに来ると色々としてくれるから…。私店長の負担にはなりたくないんで。今くらいの頻度で……いいんです」
思ってることを言った。
いや、今くらいの頻度がいいっていうのはちょっと本心ではないかもだけど……。
でも、店長の表情は読めない。
今、どんなことを考えているんだろう。
それが分かれば、色々と楽なのに………