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Blindfold
第24章 飼い主
やっぱり、言い方からしてペット扱いだ。
でもきっとこの人に敵う日は来ない。
それに言い方はどうあれ、私を優しく包み込んでくれる……
店長はそういう人だ。
「………そういう言い方するなら…一生、世話してください…よ」
自分で言いながら顔が赤くなるのが分かって、抑えようと無理に冷静になろうとするけどそれができない。
先ほど頭に駆け巡った言葉に釣られて『一生』なんてワードを使ってしまったけど、重い言葉だっただろうか…。
言った後で後悔してきた私は、誤魔化すように、マグカップを洗うのに集中すると、店長はさらに私の頭をなでた。
「そのつもりだ、安心しろ」
「っ…………」
誤魔化そうにも、マグカップは2つしかないからすぐに洗い終わってしまい、どうにもやりようがなくなった私はすぐに振り返って顔を見られないように店長に抱きついた。
「……どうした」
「……ばか」
「なんでそうなるんだよ」
「……知らないっ」
自分でも意味が分からないな、と思いながら、抱きしめる力を強くする。
はいはいと余裕そうな言葉を返す店長に、私は少しだけ顔を上げて目だけで店長の様子を伺った。
視線を感じたのか、チラと私を見ると店長はまた、なんだ、と言葉を返した。
「そうやって……いつも店長だけ、余裕そうで、やだ」
子どもが駄々をこねるようにそういうと店長は片眉を上げたあと、はぁ…とため息をついて、少し体を離した。