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Blindfold
第25章 尊さ


「……昨日は…色々、言いすぎた………かも」


やっと話す隙が生まれて、そういうと、葵はへ????と素っ頓狂な声を上げた。



「だから………ごめん」



年下の扱いとか分からない。


でも、昨日は本当に余裕なくて、流石にあとから考えても自分が酷かった。


まぁそう反省できるようになったのも、店長のお蔭、だけれども。



「ぜ、全然言いすぎてないですよっ……!」



ふるふると首を振るう葵に私はギョッとした。




「桜さんは本当のこと言っただけなんですから! 自信持ってくださいっ…!」


「自信……」




そんなこと言われるの、おかしいでしょ……


やっぱこの子、ドジなだけじゃなくて相当の変わり者なのかもしれない。


思ってもみなかった返答に体の力が抜けていると、店長に私も葵も呼ばれた。


はーーい!と返事をした葵が目を輝かせたのを見て、やはり心にモヤが掛かる。



気になる。


いや、くだらないことだし私が不機嫌になるのは違うかもしれないけど……でも、やっぱ店長はモテるし……。



「葵はこれ、持っていってくれ。桜、洗い場溜まってきてるから頼む」


私の、はい、という小さな返事をかき消すがごとく、葵が元気よく返事を返したので、思わず隣にいる葵の方を見た。


キラキラの笑顔。


私の視線を感じたのか、葵はその笑顔のまま私の方を向いた。
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