この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blindfold
第25章 尊さ
「……昨日は…色々、言いすぎた………かも」
やっと話す隙が生まれて、そういうと、葵はへ????と素っ頓狂な声を上げた。
「だから………ごめん」
年下の扱いとか分からない。
でも、昨日は本当に余裕なくて、流石にあとから考えても自分が酷かった。
まぁそう反省できるようになったのも、店長のお蔭、だけれども。
「ぜ、全然言いすぎてないですよっ……!」
ふるふると首を振るう葵に私はギョッとした。
「桜さんは本当のこと言っただけなんですから! 自信持ってくださいっ…!」
「自信……」
そんなこと言われるの、おかしいでしょ……
やっぱこの子、ドジなだけじゃなくて相当の変わり者なのかもしれない。
思ってもみなかった返答に体の力が抜けていると、店長に私も葵も呼ばれた。
はーーい!と返事をした葵が目を輝かせたのを見て、やはり心にモヤが掛かる。
気になる。
いや、くだらないことだし私が不機嫌になるのは違うかもしれないけど……でも、やっぱ店長はモテるし……。
「葵はこれ、持っていってくれ。桜、洗い場溜まってきてるから頼む」
私の、はい、という小さな返事をかき消すがごとく、葵が元気よく返事を返したので、思わず隣にいる葵の方を見た。
キラキラの笑顔。
私の視線を感じたのか、葵はその笑顔のまま私の方を向いた。