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Blindfold
第25章 尊さ


「どうかしました……?」



少しの間、葵をじっと見つめて考える。


でも、もう堪えきれなくなった私はあのさ、と再び話を切り出した。



「………あんたも、店長のこと好きなの…?」


「え……………?」



少しだけ葵が震えているのが分かる。


この反応……やっぱ図星……?


照れたように俯いた葵は、桜さん………と私を呼ぶ。



「なに……?」


「も、もう一回言ってください……っ」




すぐ側に店長もいるし、本人を前にして戸惑っているんだろうか。


でも、店長と付き合っているのは私だし、葵に黙ってるのもおかしい。


それに何よりこれ以上悶々としたくないからはっきりさせておきたい。



「だから、店長のこと、好きなのかって───」


「あんた"も"………あんた"も"って言いましたよね!?!?」



バッと突然顔を上げた葵にびっくりして少し後退りした。



「きゅっ…急に何……」


「言いましたよね!?!? ね!?!?」



あまりの勢いに怯んでしまいそうになるのを必死で堪える。


ど……ういうこと……


怖さすら感じるけど怯むわけにはいかない。



「い、ったけど、それが何」



なるべく強気でそう言い返すと、葵ははぁぁぁぁっ〜んと奇妙な声を上げながら店長から受け取ったお酒をこぼしそうになっていた。



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