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Blindfold
第25章 尊さ
「葵、お前もしかして」
それまで傍観者だった店長が声を発した。
「桜のことが、好きなのか……?」
え………?
ちょっと何言ってんの……、と言いかけたところで、葵が元気よくはい!!!と返事をしたので思わず体がのけぞった。
「ど、どういうこと……」
同性愛者とかそういうこと……?
え?でも、さっき彼氏いるって言ってなかったっけ……
「桜さんも、だし、なんていうか、お2人のファン、です!!」
「………なんだそれ」
私の気持ちを店長が代弁するかのように、葵に尋ねる。
「だって……え、これ言っていいのかな? いやでも、言っちゃえっ…」
ぶつぶつと呟いた葵はまた目をキラキラさせた。
「1日ご一緒しただけですけど、お2人すんごく焦ったくてっ……でもお互い気にしてる感じだし、好き好きオーラ全開だし、その様子がすごく萌えるっていうかっ……」
「………………」
「通り越して、尊いんです……!」
…………なんだそれ…
想像していた斜め上の展開に、頭が混乱していると、プッと吹き出す声が聞こえた。
そうかと思ったら複数の笑い声が響く。
びっくりしてフロアを見渡すと、会話が聞こえてたのかお客さんたちが、お腹を抱えて笑っていた。
「新入りちゃん、面白いねーー!!」
側にいたお客がそう声を掛けると、葵も予想していなかったみたいで、はっとして顔を赤くさせていた。