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Blindfold
第25章 尊さ
「あ、ごめんなさい……。私オタクだから、すぐ尊いとか言っちゃうんですよね」
なるべく抑えますね!
と言いながら葵は両の拳を握ってファイティンポーズを決めている。
尊い、はオタク用語なのか……。
それにしても、店長大好きな雰囲気ダダ漏れとか、本当に恥ずかしい。
それを自覚しているならまだしも、そんな気は私に全くないのだから、困ったものだ。
店長にもそれがバレてしまっているのだろうか。
だとしたら早急にどうにかしなきゃいけない問題だ……。
「とにかく!! 私はお2人のファンです! 仲を壊そうとする奴が現れたら私がとっちめてやります!」
随分と芝居がかった様子に、どうも、とだけ返事をする。
へへと笑った葵は、再び作業に戻って椅子を机に上げていた。