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Blindfold
第26章 買い物



実は、あと数週間で店長の誕生日、だ。



プレゼント、何がいいのかをずっと考えていたわけだけど。


小銭入れ……あるいは小銭も入る財布、で決定だな、とそんなことを心の中で思う。


が、あんまり考えてると、店長特有の能力で読まれる気がしてなるべく考えないように気を散らしていると、それはそれで店長が不思議そうな目で見てきた。




「すんげぇ顔してるけど」



「…………元からですよ」




「ふーん」と呑気に返事をしている店長に見透かされそうで怖い。



店長の持っている袋から、オムライス用のケチャップがのぞいているのを見て、「あ、あの」と私は慌てて話を切り出した。




「ん?」



「オムライス……!の…」


「…………?」


「オムライスの作り方、教えて下さい!」




話を変えるために咄嗟にそういうと、店長は少し驚いたように眉を上げたあと、ニッと歯を出して笑った。




「そうか……ついにお前もやる気になってきたか」


「………好きな食べ物くらい…自分で作れるようにしておきたいなって思って」


「別に俺が作ってやるから、そんな心配はいらねぇけど、まぁいい機会だな」




心なしか店長の歩みが早い。



それに私は必死について行った。



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