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Blindfold
第3章 お店
「『桜』っていい響きよねぇ。私大好き…」
「そう…ですかね…」
私はあまり好きじゃない。
「俺もいい名前だと思う。まぁ種類にもよるけど『優れた美人』とか『純潔』とか、そんな花言葉があるからな」
「…店長…良く知ってますね。そんな、花言葉なんて」
「そりゃあ、まぁ…」
言葉を濁す店長が少し気になった。
私だって知らなかった。
店長が知っているのは意外だ。
そして、幸さんが、へぇ…と言葉を漏らした。
「じゃあ桜ちゃんにも、うちのその桜子って子にもぴったりだわ!」
「………────」
「 幸先よく、うちの一番のゲストに気に入られちゃったし!まぁちょっと心配ではあるんだけど…」
幸さんの話し声が遠退いていく。
何となく、苦しくなって、私は大した用もないのに奥の客席の方へと向かった。
優れた美人……
純潔……
思わず笑ってしまう。