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Blindfold
第26章 買い物
色々と考えていたら、とてつもなく落ち込んできて私は再び自分の膝に額をつけた。
私は……後何年店長といられるんだろう。
店長が先に死んじゃったら?
私はその後一体────…
辛くなって、私は思わずテレビを消した。
考えすぎ。死ぬって言ったってすぐじゃないし、と言い聞かせていると、店長がお風呂から上がって、少し濡れた髪のまま戻ってきた。
「ふぅ」と息を吐いている店長を私は体育座りのまま見上げる。
「……っ…───────」
本人を前にすると、とてつもない不安が巻き上がって胸が苦しくなってきた。
やっぱ、この人がいなくなるなんて絶対嫌だ。
不安に押しつぶされそうになりながらじっと店長を見つめていると、店長は視線に気づいて片眉を上げた。
「どうした……?」
「……………」
ホカホカの店長は、私の隣に座り込むと、私の頭に片手を乗せた。
「おい、桜……?」
「…あの……っ……」
目を伏せながら、私は店長のシャツをギュッと握った。
「ん?」
「…………死なないで」
突然の言葉に、店長は「は?」と声を上げる。
「なんだよ急に」
「いいから……。死なないって約束して」
「………いや、てか逆に聞くけど俺死ぬのか?」
「別に……今すぐ死ぬとかじゃなくて」
「…………意味分かんねぇな」
自分でも訳の分からないこと言ってるのは分かってた。
唐突すぎだ。
だけど店長は、立ち上がって私の後ろに回り込むと足と足の間に私を入れて、そして、そのまま後ろからぎゅっと優しく抱きしめてきた。