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Blindfold
第27章 掛け持ち
「………やっぱ、やりすぎ、ですよね」
ていうか、私ももう20代後半な訳だし…
やっぱりこんなに足を出しているのは見苦しい気がしてきた。
「もう少し、落ち着いたドレス、幸さんに借ります…」
「い、いや、それでいいよ! てか、それがいいよ! ほんと、まじで、サイコー!」
お世辞を言っているのか、そう思ってじっと拓也さんを見つめるが、そんな様子もなくて、うーん…と唸る。
「でも、ちょっと足出し過ぎだと思いません……?」
「え? そうかな? 全然気にならないよ。てかむしろ、そんなに綺麗な足なら出したほうがいいとさえ思うけど」
幸さんと同じような事を言われて、私は自分の足を見た。
あんまり気にした事なかったけど、褒められるのはもちろん悪い気持ちはしない。
「………達也が羨ましいなあ」
ふっと笑う拓也さんに、顔が熱くなるのを感じた。
「誕生日、喜んでくれるといいね」
兄弟だからか、やっぱりどことなく似ている。
そう思いながら、私はコクっと頷いた。
「あと、なんか変な客が来たらすぐ言ってね」
「はい、ありがとうございます」
まぁ、いつもバーで働いているわけだし、酔っ払いには慣れているつもりだけど。
そうは言ってもやっぱり初日というものは緊張する……
胸に手を当てた私は、一人で「よし!」と気合を入れてキャバ嬢初日を迎えたのだった。