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Blindfold
第27章 掛け持ち
再び「radice」にて。
最初は、すごく気になっていたドレスにも少しだけ慣れてきて、何となく居心地も良くなってきたところで、私は現れたお客にゲンナリしていた。
指名なしのお客さんだっていうから、ついたのに……
「え!?!? 桜じゃん!!! こんなところで何してるの!?」
「北野 悠……」
一見するとただのサラリーマン。
だけど、ちょっとでも話したことがあればこいつが地雷男だってことが分かる。
私にちょっかい出してくる気味の悪い男だ。
「最近『Blindfold』に行ってもいないからどこ行ったんだと思ってたんだよ!」
「……………」
「なに? もうあのちょいワルオヤジに飽きたわけ?」
ペラペラと話してきて、本当にウザい。
しかも、こんなところで会うと思ってなかったのか、北野悠も驚いた様子でテンションが高い。
「………ちょっと、お金がいるの」
「へぇ〜」と笑った北野悠は、顔を近付けて私をじっと見てきた。
「なに」
思わず顔をのけぞらせると、北野悠は私の体を舐め回すように見て、「う〜ん」と唸った。