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Blindfold
第28章 疑惑



店長に近付いて、その胸に少しだけ寄り掛かる。




「桜…?」


「………久々に会えたから…」


「………………」


「近くに…いたい」




思わず店長の服の裾を掴んで顔を見上げる。


いつも通り、店長の表情を読むことはできない。


恥ずかしいという気持ちはあるけど、それよりも店長の温もりが欲しくて、そのままギュッと抱きつくと、店長もそれに応えるようにしてギュッと私のことを抱きしめ返してきた。



そして、私の顎を優しく掴んだ店長は、少し目を細めるとそのまま顔を近付けて唇を塞いだ。



「……──────っ…────」




久々の感覚に、じわじわと体の血が巡る。


キスってこんなに気持ちよかったっけ…


そんなことをぼんやり思いながら、店長の首に腕を回し、私は大胆にも口を開いて自ら舌を入れ込んだ。



「っ………んっ……」


「……っ………」




店長も、それにびっくりしたのか、微かに体を震わせている。


そして、少しだけぎこちなく舌を動かすと、そのまま私をカウンターの席に追いやって、顔を交差させた。



お店でなんてダメ、っていう気持ちと、久々かついつもとは違う状況に興奮する気持ちと…


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