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Blindfold
第28章 疑惑
頭がぼんやりして、気持ちがふわふわとしてくる。
「んっ……んん」
そろそろ唇が離れるかなと考えているけれど、中々店長が離してくれない。
なんかいつもと違う……?
普段、ここまでキスしてくることはなかった気がして、嬉しいけれど、息が苦しくなってきて私は涙を流しながら、店長の腕を軽く叩いた。
「っっ…て…んちょっ………く…っ…くるしぃっ…」
「……っ……悪い」
ハッとしたように唇を離した店長は、少し顔を紅らめながらその顔を腕で隠すようにして私から目線を逸らしている。
家ならまだしも、お店でここまで熱烈にキスしてくるなんて、正直店長らしくない。
もしかして……店長も会いたいって思ってくれていたんだろうか。
悶々としてたのは私だけじゃないかもと思ったらそれが嬉しくて、私は息を整えながら店長を見上げた。
店長、と言いかけて、私は言葉を飲む。
「………た…つや」
名前を呼ぶと、達也は微かに体を震わせたあと、私の方に向き直った。
「……あの…すごく…会いたかったで…す」
「─────…」
「達也も……そう思ってた…?」
素直にそう伝えると、店長は片手で顔を押さえながら項垂れた。