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Blindfold
第3章 お店


体を引き離して、やはり妖しく笑うその人のことを見た。



バーで働いてもう2年くらい経つから、今まで色々なことがあったけど、ここまで直接的に言われたのは初めてだ。


しかも様子を見るに、そんなベロベロに酔っ払っているという感じもしない。


というより、むしろ、彼は他のお客に比べても冷静なように見えた。




「怒らないんだ?」



「……はい?」




にこりと笑った彼は、私がさっき持ってきたお酒を口に運んだ。




ゴクリと、喉元が揺れる。





「おねえさん、ガード緩そうだなと思ってさ」



「…………」




「で?返事は?」




「………仕事中なんで」




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