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Blindfold
第28章 疑惑
「な、なに」
「もしかして、私お2人の邪魔しました!?」
突然の指摘にぎくりとしながらも「全然」と手を振る。
「ならいいんですけど……」
挙動不審にならないように努めるけど、冷や汗が流れる。
「まぁ、お2人とも大人だし、流石にお店でいちゃついたりっていうのはないかぁ」
「っ…………」
「バイト前、久々に会った彼氏とカウンターで……とか、ちょっとドキドキしちゃうシチュエーションですけどね」
なんと返したらいいのか…
まさに、な事を言われて耳が赤くなってしまうのを抑えられない。
「…………バカなことをいうな」
スカしている店長のことを横目でチラと見る。
「ガキじゃねぇんだから」
良く言う。
まぁ、私が言えた事じゃないけど……
葵が来てなかったら完全にカウンターでしちゃうところだった。
「ですよねぇー。いや、やっぱ大人って違うなぁ。学校で聞く話ってホントみんな猿なの!? ていうような信じられない話ばっかりなんで……」
猿……
居た堪れないと思った私は、くるりと葵に背を向ける。
「じゃ、わたし着替えてきますねー」
そう言って着替えに向かった葵に、ホッと息を吐いたあと、「じゃあ私も」と私もついていく。
すると、それを阻むように、店長が私の手首を掴んだ。