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Blindfold
第28章 疑惑
宅急便だろうか。
でも、特に何かネットで頼んだ記憶もない。
実家……?
そんなに頻繁ではないが、たまに母親が何かを送ってくる事はある。
「はーい」
返事をした私は上げていた前髪を下ろし、鍵を開け少し開けた隙間から外を見た。
目に入ったジーパン。
思ったよりも背が高くて、目線を上に上げていく。
「えっ…なっ…なんで!?」
口元に少しだけ生えた髭。
少しだけ長いうねった黒髪。
幻覚だろうか……
驚きすぎてフリーズしてると、目の前に現れた店長は、真顔のままじっと私のことを見ている。
「やっぱ、うそか」
どうしようどうしようどうしようどうしよう
どうして来たの?
嘘がバレたから?
いや、にしても早く来すぎだし、電話の時にはもううちの前にいたってこと?
いや、そんな事はどうでも良くて、何か言い訳を。
「話したくねぇならそう言えよ」
「いや、そうじゃな、くてっ…」
やっぱりパニックすぎて頭が回らない。
あわあわしていると、店長は何故か大きく目を見開いたあと、視線を落とした。
何か言わないと。
「ごめんなさい、色々事情があって…っ。でも今は話せない、です」
「………はぁ?」
「お願いです、からっ……あと少し、待ってくださいっ……話せるようになったらちゃんと説明しますからっ…」