この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blindfold
第3章 お店
驚くほど強い力だった。
バランスを保てなくて、
転ぶ…っ!
と思ったときには、誰かの胸に飛び込んでいた。
飛び込んだ、というより、引き寄せられていた、という方が正しいかもしれない。
そして、また煙草の匂いが鼻を掠めた。
「申し訳ないけど、こいつ勤務中なんで」
「……店長……」
顔を上げると、私も見たことないほどの満面の笑みを客に向ける店長がいた。
「……それは失礼」
全く怯まないお客も店長と同じように微笑みを見せる。
「いえいえ。勤務中に怠けてるこいつが悪いんですよ」
そう言いながら、店長は私の頭をガシッと掴んだ。
また髪が崩れる…
抵抗しようにも、お客の前だから打つ手がない。