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Blindfold
第3章 お店



驚くほど強い力だった。



バランスを保てなくて、


転ぶ…っ!


と思ったときには、誰かの胸に飛び込んでいた。



飛び込んだ、というより、引き寄せられていた、という方が正しいかもしれない。




そして、また煙草の匂いが鼻を掠めた。




「申し訳ないけど、こいつ勤務中なんで」




「……店長……」




顔を上げると、私も見たことないほどの満面の笑みを客に向ける店長がいた。



「……それは失礼」



全く怯まないお客も店長と同じように微笑みを見せる。





「いえいえ。勤務中に怠けてるこいつが悪いんですよ」





そう言いながら、店長は私の頭をガシッと掴んだ。




また髪が崩れる…




抵抗しようにも、お客の前だから打つ手がない。






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