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Blindfold
第29章 スミレ
「そう。分かったわ」
「ほんと、皆さんにはご迷惑をお掛けしました。あの、申し訳ないんですが明日店長が起きたら私に電話するように伝えてくれませんでしょうか……」
幸さんにそうお願いすると、幸さんは緩く笑って「えぇ」と返事をしてくれた。
となれば…
急いで色々準備をしなくちゃいけない。
とりあえず、店長の家の合鍵はあるから…
あれこれと考えている間に店長が「んん」と唸ったので私は体を震わせた。
ちらと寝顔を見るがやはり起こる様子はない。
とりあえず、ほっと息をついた私は店長のそばに寄ってそっと頬を撫でるように触れた。
「いいなぁ、達也」
ふざけた様子で不貞腐れている拓也さんに、ふっと笑う。
そして再び立ち上がった私は幸さんと拓也さんに頭を下げると、そのまま着替えを済ませてお店を後にした。