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Blindfold
第29章 スミレ
「昨日は……ていうか、ここ最近、色々嘘ついたり、そのせいで誤解させてたみたいで…本当にすみませんでした」
「…………いや、まぁ…」
「今日、ちゃんと誤解解きたくて…っ……。でも、色々準備したいこともあるので……だから、18時頃に家に帰ってきてほしい…です」
「18時………?」
少し黙った後、店長は「えーっと…」と続けた。
「逆に、それは18時までは帰るなってことか?」
「そう」
「…………シャワーとか浴びてぇんだけど───」
「────ど、どっかで浴びて!」
家に帰ってくるのを回避するために強めに言ってしまって、私は言った後で「あ……」と声を漏らした。
「すみません……あの…」
「まぁ、分かった、適当に過ごしておく。18時だな?」
諦めたようにそう言った店長に、「はい」と返事をする、そうと決まれば何としてでも18時に準備を間に合わせなければ。
意気込んだ私は、「では、後ほど」と言って電話を切った。
やっと今日誤解を解ける。
そうすれば、この店長との気まずい日々ともおさらば、悠に振り回されることもない。
………プレゼントを渡したら喜んでくれるだろうか。
その後は……
やっぱ今日はすることになる、だろうか…
無意識にベッドを見た私は、邪念まみれになっていることに気が付いて頭を振った。