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Blindfold
第3章 お店
「折角、助けてやったのによ」
「助けた?」
「大体お前は警戒心がねぇんだよ」
「何言ってるんですか。別に困ってないし、助けてくれなくていいですよ」
ピロンと、スマホが鳴って、画面を見た。
『いいよ』の文字。
ああ良かった…
今夜、一人じゃなくて済む。
「もう、上がっていいですか?」
「……ああ」
店長が吐いた煙を見つめた。
モクモクとたちこめて
そして、消えていく。
「桜」
帰ろうとしていると、突然手首を掴まれて、思わず店長のことをみた。
「……なんですか」
いつになく真剣な眼差しを向けられて、どんな顔をしていいか分からない。
「……危なっかしくてみてらんねぇよ」
「………」
「なんかあんだったら相談しろって俺言ったよな」
…言っていた。
でも…
「別に、相談するような事は──」
「もっと自分を大事にしろ。桜」
「─────」