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Blindfold
第30章 ハッピーバースデー
少し沈黙が続いたあと、
私は辛うじて残った力を振り絞って体を反転させると、布団を引っ張ってメイド服を隠すようにして被る。
達也はその隣で、息を整えながら突っ伏していたあと、私の方に顔を向けて、ゆっくりと私の頬に触れた。
いつもなら、この後タバコを吸うのに吸わない事を不思議に思っていると、達也はそのまま私に口付けた。
何だか……
カップルっぽいし、すごく事後っぽいな…なんて事を思っていると、達也は頬杖をつきながら、片眉を上げた。
「………で?」
「……で?…って…?」
甘いムードから一転した表情に聞き返すと、達也はため息を吐きながらじっと私のことを見つめた。
「なんでキャバ嬢なんかやってたんだ」
「あぁ……」
そういえば、まだ何も説明できてない。
それに、よく考えたら、達也からしたら悠の誤解も解けてないんじゃ…?と思って私は「えっと…」と話を始めた。
「金に困ってるわけじゃないけど金が欲しくてやってんだろ」
「………はい。あの……プレゼント買いたくて…」
「プレゼント……?」
チラと、さっき渡したままの袋を目で追うと、達也も思い出したように袋を見て、立ち上がると袋を掴んでベッドのへりに座った。
「これ、か……?」
「はい。でも…私のお金って『Blindfold』で稼いだお金で…それってつまり店長からもらったお金だから」