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Blindfold
第30章 ハッピーバースデー
「もしかして、店長、嫉妬してます?」
「あ……?」
「いや、つまり他の男に愛想振りまくなってことかなぁーって」
ふざけ半分に、適当に言うと、店長の動きがピタリと止まった。
何かを考え込んでいるように見えるけど、内容はもちろん分からない。
くだらない事を言われて、呆れて物も言えないって感じだろうか?
居た堪れなくて、照れ隠しにムッとしながら店長を少しきつめに見つめる。
「………あの…なんか言ってくださ────」
「───── そうだよ」
突然、真剣な眼差しを向けられてドキリと心臓が跳ねた。
「そうだよ……って」
「微笑みかけたり、着飾ったり…」
「………────」
「……そういうの、他の男相手にしてるのは、まぁ…いい気はしねぇよ」
思っても見なかった発言に、フリーズした後途端に恥ずかしくなって顔がブワァッと熱くなるのを感じた。
「……なんでお前が照れんだよっ…」
「いや…っ…だって、普段嫉妬とかしてこないし、そもそも冗談で言ったつもりだったし……っ」
両手で顔を覆うけど、耳まで熱くなってきた。
「………別に普段もしてないわけじゃねぇよ」
下を向いたまま思わず店長に手を伸ばしてギュっと手を握る。